ニューキノロン系抗菌薬の効果について詳しく解説します

ニューキノロン系抗菌薬とは

現在、日本で活躍している抗菌薬にはさまざまな系列があります。

このうち、レボフロキサシンを含む抗菌薬は「ニューキノロン系」という系列に分類されています。

化学構造からフルオノキロンと呼ばれることもあります。

ニューキノロン系抗菌薬とは、細菌が体内でDNAの複製を行う際に必要になるDNAジャイレースという酵素の働きを阻害する働きをする抗菌薬です。

そもそも増殖できない状態にすることで細菌を死滅させることを得意としています。

キノロン系という別の系列をもとにして、人工的に合成・発展させることで作られました。

そのため、ニューキノロン系抗菌薬の作用機序はキノロン系の抗菌薬と同じという特徴があります。

経口投与ができること、副作用が少ないことから、医療現場でよく使われています。

抗菌薬とは

抗菌薬はさまざまな医薬品の中でも、比較的耳にすることが多い薬です。

実際に服用したことがある人もいらっしゃると思いますが、どのような薬なのか詳しくご存知でしょうか。

抗菌薬というのは、細菌を死滅させたり、増殖したりするのを抑える作用があります。

微生物から作られるものは抗生物質と呼ばれており、人工的に作られたものが抗菌薬と呼ばれているようです。

この薬は細菌の構造や仕組みを利用して作られているため、細菌以外の病原体には効果がありません。

しかし、細菌による二次感染があった場合や、それを予防するためにウイルス性の疾患に対して抗菌薬が処方されることもあります。

抗菌薬にはさまざまな系列があり、どの系列に分類されているかで細菌への作用の仕方が異なります。

ニューキノロン系抗菌薬の効果

細菌による疾患は、体内で細菌が増殖することによって引き起こされます。

何らかの経路で体内に侵入した細菌は、酵素を使って自分のDNAを複製し、タンパク質合成を行うことで増えていきます。

このとき必要になる酵素は「DNAジャイレース」「トポイソメラーゼⅣ」という酵素です。

これらの酵素の働きがなければ、細菌は体内で増殖することができません。

つまり、DNAジャイレースやトポイソメラーゼⅣが正常に働かない状態にすることができれば、細菌を死滅させることができるようになります。

ニューキノロン系抗菌薬は、DNAジャイレースやトポイソメラーゼⅣの働きを阻害する効果があります。

つまり、細菌がDNA複製をするために必要になるものの働きを阻害して、増殖することができない状態にします。

これにより細菌を死滅させるのがニューキノロン系抗菌薬の働きで、この働きはキノロン系抗菌薬と同じです。

死滅させることができる細菌の種類は、ニューキノロン系抗菌薬のほうが多いため、ここがキノロン系抗菌薬との違いになっています。

キノロンとは

キノロンとは、ニューキノロン系抗菌薬のもとになった抗菌薬の系列です。

ニューキノロン系と同じ働きを持っており、細菌のDNAジャイレースの働きを阻害することにより、細菌が増殖できない状態にして殺菌効果を発揮します。

キノロン系抗菌薬の中で代表的なものがナリジクス酸で、これに手を加えることでさまざまな抗菌薬が作られました。

適応症はほぼ尿路感染症に限定されているという特徴があるため、効果を発揮する細菌の種類は少ないといえます。

ニューキノロン系抗菌薬が登場してからは、オールドキノロンとも呼ばれるようになりました。

DNAジャイレースとは

ニューキノロン系抗菌薬や、キノロン系抗菌薬が作用するのがDNAジャイレースです。

しかし、そもそもDNAジャイレースとはなんなのか、詳しく知らない人が圧倒的に多いのではないでしょうか。

DNAジャイレースというのは、細菌が持つ酵素の一種です。

DNAを複製するためには、ねじれているDNA鎖を1本ずつにほどき、タンパク質をはじめとしたほかの物質が結合できるようにする必要があります。

DNAジャイレースはDNA鎖を解く役割をもっており、必要なときに2本のDNA鎖の両方を一度に切断し、DNA鎖を回転させ、ねじれを取る働きをします。

また、複製が終わったらDNA鎖のねじれを戻し、再結合させて元の状態にします。

この酵素の働きがなければ、DNA鎖を解くことはできないため、DNA複製をするときは必要不可欠なものといえます。

トポイソメラーゼIVとは

トポイソメラーゼⅣとは、細菌が持っているもう一つのDNA複製に関する酵素です。

この酵素はDNAトポイソメラーゼの一種で、複製したDNAを細胞分裂後の娘細胞に分け与えるために、親細胞からDNAを切断する働きをします。

DNAトポイソメラーゼはⅠ型とⅡ型に大きく分けることができ、この2種類のうち、トポイソメラーゼⅣはⅡ型に属しています。

この酵素は細菌だけでなく、人間の体の中にもありますが、細菌が持つトポイソメラーゼⅣと人間が持つトポイソメラーゼⅣは種類が異なります。

ニューキノロン系抗菌薬やキノロン系抗菌薬はその点に注目して作られており、細菌のトポイソメラーゼⅣに作用するようになっています。

これにより、人間のトポイソメラーゼⅣにはあまり影響を与えないようになっています。

ニューキノロン系抗菌薬の副作用

ニューキノロン系抗菌薬は、副作用が少なく作られているのが特徴です。

しかし、副作用が全くないというわけではないので、場合によっては何らかの症状が副作用として現れることもあります。

副作用は軽いものと重いものの両方が報告されており、重い副作用が現れることはめったにありません。

また、これらの副作用だけでなく、少々変わった症状も報告されています。

安全にニューキノロン系抗菌薬を使うためには、どのような症状が副作用として報告されているのか知っておくことが大切です。

主な副作用

ニューキノロン系抗菌薬の主な副作用として報告されているのは、下痢や吐き気、食欲不振といった消化器症状です。

重い副作用の場合、痙攣やQT延長症候群、低血糖や高血糖といった血糖異常が報告されています。

ほかにも、光線過敏症や横紋筋融解症、アキレス腱炎が起きる可能性もあるので、ニューキノロン系抗菌薬を使うときはこれらの重い副作用にも注意が必要です。

重い副作用には初期症状があるので、副作用の初期症状らしきものを感じたときは速やかに病院を受診しましょう。

これらの副作用は、間違った用法用量でニューキノロン系抗菌薬を使うことで現れやすくなります。

安全にニューキノロン系抗菌薬の効果を実感するためにも、必ず正しい用法用量を守りましょう。

併用注意や薬物相互作用について

ニューキノロン系抗菌薬は、アルミニウムやマグネシウム、鉄、カルシウムを含む薬剤と併用すると吸収が阻害されてしまいます。

これにより、効果が弱まってしまう恐れがあるので、これらの成分を含んだ薬剤との併用は注意しましょう。

また、非ステロイド性抗炎症薬と併用すると、GABAが受容体に結合するのを阻害する作用が強く働いてしまい、痙攣を引き起こすことがあります。

ほかにも、ワルファリンの作用を高めて出血しやすい状態にしてしまうため、ワルファリンとの併用にも注意が必要です。

代表的なニューキノロン系抗菌薬の一種であるクラビットとは

ニューキノロン系抗菌薬の中でも、代表的なものがクラビットです。

その特徴から、クラビットはさまざまな疾患の治療に使われており、もっとも多く処方される医薬品の一つになっています。

ほかの抗生物質や抗菌薬と併用することで、結核や髄膜炎、骨盤腹膜炎の治療にも使われています。

また、これらの症状だけでなく、淋病やクラミジアといった性感染症にも高い効果を発揮します。

このように、幅広い疾患に対して効果を発揮するのが、クラビットの最大の魅力です。

クラビットにはレボフロックスというジェネリック薬も

クラビットはさまざまなジェネリック医薬品が作られています。

そのため、先発薬であるクラビットではなく、ジェネリック医薬品を選ぶこともできます。

先発薬を買うとどうしてもお金がかかりますが、ジェネリック医薬品なら安価な価格で手に入るので、常備薬にも最適です。

淋病やクラミジアなど、再感染しやすい性感染症の対策として、クラビットのジェネリック医薬品を購入しておくのは有効な手といえるでしょう。

特にレボフロックスはクラビットジェネリックの中でも手に入れやすいので、オススメです。

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